主任教授より

主任教授より

藤田医科大学 腎泌尿器科主任教授
白木 良一
Ryoichi Shiroki

【教授略歴】

藤田医科大学腎泌尿器外科は2023年に開講50周年を迎えました。私どもは開講以来、小児から高齢者、先天性疾患から悪性腫瘍、女性泌尿器疾患まで泌尿器に関する全ての疾患において、最先端医療を提供するとともに最期まで患者さんに寄り添う医療を提供しております。

特に、全国に先駆けて導入したロボット支援手術は、泌尿器科領域では全国トップクラスの症例数を施行して居ます。また、当院のみで対応している術式もあり様々な低侵襲手術を希望して全国から数多くの患者さんが訪れています。良性疾患献では、前立腺肥大症に対するホルミウム・レーザーを用いた内視鏡手術を主に施行しています。入院期間も3−4日で安全性の高い(出血量が少ない)治療法です。他にも、腎移植の治療成績(腎生着率)は、世界のトップクラスを誇り、心停止ドナーからの献腎移植も米国移植学会など海外からも注目されています。

研究テーマも悪性腫瘍、移植免疫、腎機能、尿路感染症、等、多岐に渡り、国内外の研究施設や学内の様々な研究部門や他の専門分野との共同研究も活発に行なっています。これらの成果は国内だけでなく海外の学会等でも広く発表され注目されております。

今後も積極的に若い医局員を勧誘し、泌尿器科学の発展そして泌尿器科疾患で悩む患者さんの治療に少しでも貢献できるよう努力して参ります。

白木 良一
Shiroki Ryoichi

教室沿革

藤田医科大学腎泌尿器外科学教室(当時:名古屋保健衛生大学泌尿器科学教室)は1972年(昭和47年)、慶應義塾大学泌尿器科学教室出身の名出頼男教授を初代教授として設立されました。発足以来、特に臨床面において東海地区を代表する泌尿器科学教室となっております。名出先生は感染症および化学療法の分野において目覚しい成果をあげました。1990年には星長清隆先生が都立清瀬小児病院(当時)より本学へ移籍され、腎臓移植、小児泌尿器科疾患の分野を発展させるとともに、献腎移植症例の増加、診療および研究レベルの向上に貢献しました。2000年より星長先生が第二代教授に就任され、更なる腎臓移植の増進が行われ国内随一の献腎提供数を誇る施設となりました。献腎移植の治療成績(腎生着率)も世界のトップクラスを誇り、心停止ドナーからの献腎移植では米国移植学会など海外からも注目されております。星長先生は2009年より病院長となり、日本泌尿器科学会並びに日本移植学会の理事として臓器移植法の改正(2010年)にも大きな役割を果たしました。また、2009年より東海地区では初となるダビンチによるロボット支援手術(前立腺癌)を開始し、2024年3月までに3000例以上を施行しております。2014年4月に星長先生は藤田保健衛生大学 学長となり、11月より白木良一先生が第三代主任教授に就任しました。これまでロボット支援手術や腹腔鏡手術といった低侵襲手術をはじめ、悪性腫瘍、腎臓移植、尿路感染症、排尿障害、小児・女性泌尿器科疾患等を中心に診療・研究の体制が構築されております。

教室の歴史

1972年12月
名古屋保健衛生大学泌尿器科学教室 設立
名出頼男 初代教授 就任
1984年6月
藤田学園保健衛生大学に名称変更
1991年4月
藤田保健衛生大学に名称変更
1994年11月
第44回日本泌尿器科学会中部総会主催(会長:名出頼男)
1994年12月
第42回日本化学療法学会西日本総会主催(会長:名出頼男)
1999年7月
第8回日本小児泌尿器科学会(会長:名出頼男)
2000年4月
星長清隆 第二代教授 就任
2005年6月
第21回日本腎移植血管外科学会主催(当番世話人:星長清隆)
2006年7月
前立腺癌 密封小線源治療 開始
2008年1月
第41回日本臨床腎移植学会主催(会長:星長清隆)
2009年2月
星長清隆 教授 病院長就任
2009年8月
ロボット支援手術 開始
2012年9月
第48回日本移植学会主催(会長:星長清隆)
2013年11月
第63回日本泌尿器科学会中部総会主催(会長:星長清隆)
2014年4月
星長清隆 教授 学長就任
2014年11月
白木良一 第三代教授 就任
2018年10月
藤田医科大学に名称変更
2018年10月
星長清隆 先生 学校法人藤田学園理事長に就任
2019年3月
第11回ロボット外科学会主催(会長:白木良一)
2021年9月
白木良一 教授 病院長就任

医療体制

専門・手術・検査

各種悪性腫瘍(腎癌、尿路上皮癌、前立腺癌、精巣腫瘍)、腎移植、尿路性器感染症、排尿障害(前立腺肥大症など)、女性尿路疾患、小児泌尿器科疾患

移植領域では献腎および生体腎移植を2024年3月までに300例以上施行しています。尿路性器悪性腫瘍では、前立腺癌に対して2009年8月より東海地区では初となる前立腺ロボット手術を開始し、2024年5月までに1900例以上を施行しております。他にも2005年から開始した放射線内照射治療である小線源永久挿入療法(ブラキセラピー)は2000件を超え東海地域では最多の症例数です。腎や尿管などの上部尿路疾患に対しても、腹腔鏡手術、内視鏡手術などを積極的に施行し、進行性膀胱癌で膀胱全摘除を余儀なくされた場合にも代用膀胱や尿禁制型の尿路変更を施行し患者様のQOLを維持できるよう努めております。
当科では年間の約1200件超の手術を行い、特にロボット支援手術を含めた腹腔鏡手術は年間350例、その他も含め低侵襲な内視鏡手術が手術件数全体の85%を占めています。毎日必ず行われるカンファレンスでは入院患者様の病態の確認を行うとともに、手術ビデオを用いた手術カンファレンス、週1回の抄読会および若手医師を対象したスタッフによる各疾患の教育セミナーを施行しています。

専門外来

前立腺小線源:月曜日午後
女性外来:月曜日午後
移植外来:水曜日

医療設備

手術ロボット(ダビンチXiシステム、ダビンチSP、ヒノトリ、Hugo)、腹腔鏡手術装置、密封小線源永久挿入治療(バリシード)、ESWL(体外衝撃波結石破砕装置)、ホルミウム・レーザー、尿流動態検査装置、腹部超音波検査装置、軟性膀胱尿道鏡,腎盂尿管鏡など

医局員紹介

主任教授

白木 良一
Ryoichi Shiroki 【教授略歴】

教授

佐々木 ひと美(国際医療センター兼任)
Hitomi Sasaki 【教授略歴】

金尾 健人
Kento Kanao 【教授略歴】

准教授

髙原 健
Kiyoshi Takahara 【准教授略歴】

市野 学
Manabu Ichino 【准教授略歴】

全並 賢二
Kenji Zennami 【准教授略歴】

講師

竹中 政史
Masashi Takenaka 【講師略歴】

糠谷 拓尚
Takuhisa Nukaya 【講師略歴】

助教

猿田 真庸
Masanobu Saruta 【助教略歴】

元永 智績
Tomonari Motonaga 【助教略歴】

竹内 章人
Akihito Takeuchi 【助教略歴】

飯島 麦
Baku Iijima

藤田 夏帆
Natsuho Fujita

泉谷 正樹
Masaki Izumitani

岡崎医療センター

日下 守
Mamoru Kusaka 【教授略歴】

河合 昭浩
Akihiro Kawai 【教授略歴】

小宅 真基也
Makiya Oyake

田中 幹人
Mikito Tanaka

ばんたね病院

石川 清仁
Kiyohito Ishikawa 【教授略歴】

深見 直彦
Naohiko Fukami 【准教授略歴】

市原 敬一郎
Keiichiro Ichihara 【助教略歴】

理事長

星長 清隆
Kiyotaka Hoshinaga 【理事長略歴】

研究テーマ

  • 新規開発手術支援ロボットの臨床応用
  • 献体を用いた新たなロボット支援泌尿器科手術術式の開発
  • 腎部分切除術における切除局所における腎機能の画像生理学的研究
  • ロボット腎部分切除術における温阻血時間短縮と腎機能に及ぼす影響
  • 腎癌腫瘍特異抗原の解析とヒト型抗体の開発、診断および治療への応用
  • 前治療歴を有する根治切除不能または転移性腎細胞癌に対するニボルマブのバイオマーカー探索を目的とした多施設共同前向き介入試験
  • 根治切除不能または転移性腎癌の治療法に関する多施設共同コホート研究
  • 筋層非浸潤尿路上皮癌における再発および筋層浸潤に関わる網羅的遺伝子解析
  • 前立腺癌に対する癌特異的遺伝子発現解析と特異的抗体の開発
  • 前立腺癌の腫瘍局在を可視化する抗体+PET診断法の開発
  • 前立腺癌細胞のRNA異常スプライシングに関する研究
  • 前立腺癌の尿中exosome 解析による簡易診断法確立の研究
  • 前立腺癌生検病理と全摘病理所見に関する解析(監視療法例)
  • 前立腺癌摘出病理診断と術前MRIとの相関に関する研究
  • 前立腺癌に対する薬物療法の選択と予後に関する多施設共同後ろ向き観察研究
  • PDCD4に着目した去勢抵抗性前立腺癌の新規マーカー・治療の確立に関する研究
  • 去勢抵抗性前立腺癌への革新的挑戦 ~AR依存性ホルモン感受性再獲得因子の導入~
  • 腎移植慢性拒絶反応に対する網羅的遺伝子解析
  • 献腎移植におけるliquid biopsy
  • 膀胱尿管逆流の腎瘢痕形成における網羅的遺伝子解析
  • 尿路感染症における耐性機序の関する遺伝子解析
  • 抗菌薬適正使用ならびに手指衛生と耐性菌発生の関連性に関する検討
  • 急性膀胱炎の分離菌と薬剤感受性に関する多施設共同後方視的観察研究
  • HoLEP・TUEBにおける周術期感染症阻止薬プロトコールの検討
  • 泌尿器科領域消化管手術における術期感染症阻止薬プロトコールの検討
  • UPOINTSを用いたCP/CPPS治療